飲食から異業種に転職したい!飲食業の経験を活かせる職種や業界とは?

飲食から異業種に転職したい!飲食業の経験を活かせる職種や業界とは?

飲食業界で働きながら転職を考えている人は少なくありません。飲食店.COMが2017年に実施した調査によると、飲食店に勤めている30代で一度も転職をしたことがないという人はわずか7.3%にとどまり、半数を超える55%は3~5回という複数回の転職を経験しています。
本記事では、飲食業界で働く人が転職したいと考える理由を分析しつつ、飲食業界で培った経験を活かせる職種・業界を紹介します。

飲食業から転職したい!と考えている理由

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飲食業界を辞めたいと考えている人、転職したいと思っている人には、それぞれの事情や理由があります。まずは、飲食業界で働いている人が仕事を辞めようと考える理由についてまとめました。

年収が上がりにくい

「飲食業界から転職したいと考えられる理由のひとつが、「収入」や「年収」といった金銭面です。
2022年に厚生労働省が行った「令和4年賃金構造基本統計調査」では、「宿泊業・飲食サービス業」の年収は257万円で全業種で最も低くなっています。

収入の低さは、若いうちは大きな問題でなくても、結婚して家庭を持ったり、子どもが生まれたりすれば現実問題としてのしかかってきます。しかし飲食業界は業界全体が低賃金の傾向があるため、年収アップのために他業種への転職を考える人もいます。

参照:令和4年賃金構造基本統計調査
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2022/index.html

人間関係がさまざま

飲食業界では、高校生や大学生といった若年層から子育てを終えたミドル層、シニア層まで、幅広い年代の人が働いています。お店の業務をスムーズにこなすには、全員で役割分担をしつつ協力して仕事を進める必要があります。

働いた経験のない学生を雇えば、言葉遣いや身だしなみといった接客の基本から教える必要があります。スタッフの教育に頭を悩ませることも多いでしょう。個人のスキル差が顕著で一部の従業員にばかり業務が偏るなどの理由でスタッフに不満や不公平感がたまれば、それが原因で人間関係にヒビが入ってしまう可能性もあります。
対人関係にストレスを感じると、体や心の健康に出てしまうこともあり得ます。人間関係の不和は、退職・転職の理由として非常に大きなものです。

拘束時間が長く、休日も少ない

飲食店は土日祝日も営業している店舗が多く、従業員もそれに合わせて出勤するケースが多いです。そのため「家族や友人と休みが合わない」「一般的な会社より休みが少なく土日に出かけられない」といったことを理由に転職することもあります。

また、人手不足からくる「有給休暇が取りにくい」という点も、転職理由に挙げられることがあります。厚生労働省がおこなった「平成28年就労条件総合調査」によると、宿泊業・飲食サービス業の有給消化率は32.6%で、他業種よりも低水準でした。

このように飲食業界は休みが少なく不定期で、労働時間や休日が一緒に働くスタッフの都合やシフトにも左右されてしまうという現状があり、転職理由のひとつとなっています。

体力的に難しい

飲食店で働くと、ホールも調理場も、誰もがてきぱきと動き回って仕事をしています。座っている時間はほとんどありません。行列ができるような人気店であればその傾向は顕著で、目が回るほど忙しいという経験をした人は多いのではないでしょうか。
つまり業務をこなすには体力がかなり重要で、体調不良やケガ、年齢的な体力低下といった不安要素があると仕事を続けられなくなってしまうことも予想できます。

飲食業の経験が活かせるスキルとは?

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飲食店でしか働いたことがないと、「まったく未経験の仕事ができるのかな」という不安を感じる人も多いでしょう。しかし、飲食業界で学べるスキルは非常に幅広く、他業種でも十分に活かすことができます。どんなスキルが重宝されるのかを紹介します。

コミュニケーション能力

コミュニケーション能力は、どのような仕事をするにしても欠かせないものです。飲食店ではお客様に接する機会が多いのはもちろんのこと、スタッフ同士でも積極的にコミュニケーションを取ってチームで仕事を進めていく必要があり、自然と柔軟なコミュニケーション能力が身についていきます。不特定多数のお客様や世代の違う同僚に接してきた経験はスキルとして蓄積され、幅広い業種で役に立ちます。

また、困っているお客様に声をかける、水のおかわりや取り皿など必要なものを提供するといった、顧客が求めていることを細やかに察することができるというのも重宝される能力です。

礼儀作法や身だしなみ、丁寧な言葉遣い

飲食業はお客様の前に出る仕事ですので、お客様に対し失礼にならない礼儀作法や身だしなみ、丁寧な言葉遣いやその場にふさわしいふるまいが身につきます。こういったことは、他業種では「ビジネスの基本が身についている」と評価されることが少なくありません。

営業職では相手に好印象を与えることが重要ですし、事務職でも電話の応対や来客の案内といった仕事があります。自社の社長や重要な来客に接する機会も出てくるでしょう。どのような職種でもお客様に接する機会はあるので、さまざまなシーンで役に立つスキルといえるでしょう。

協調性

飲食店で働く中で、「ランチやディナーのピーク時に、同僚と協力して何とか乗り切った」という経験をした人は多いのではないでしょうか。
飲食店では、苦手な同僚とはできる限り距離を置く、一部の人としか口をきかないといったワンマンな働き方はほぼできません。現場がスムーズに回ることを最優先する、仲間と協力できる、歩調を合わせられるという能力は、他業種でも大きな強みとなります。上司を助けたり部下をまとめたりと、その場で求められている役割をこなしつつワンチームで働ける協調性は、どんな職場でも歓迎されます。

食材や料理などへの知識

食材や料理、調理に関する知識は、飲食業界で働いているからこそ得られるものです。コーヒーショップで働けばコーヒーに詳しくなりますし、焼き肉店で働けば食肉に関する知識が付きます。知識を活かして食品販売店や食品メーカーに転職する、グルメライターになる、といった働き方の可能性もあります。食品に関係する業界に転職する際は有利になるでしょう。

また、調理師免許や栄養士の資格を持っていれば、資格を活かしつつ料理教室や介護施設の調理といった他業種で働くことも可能です。「調理だけしたいのに、飲食店では接客もやらなくてはいけない」という悩みを持っているのなら、調理に専念できる職場を選ぶのも選択肢のひとつにあがってくるでしょう。

語学力

飲食店では、海外からのお客様を接客することもあります。特に東京や大阪、京都など訪日外国人客が多いエリアでは、外国語での接客や宗教の戒律に合わせたサービス提供が求められる機会が多く、言語や文化を理解したうえでの対応力が重要です。

実際に外国語で接客をした経験や、接客のために語学を学んだ経験があれば、転職活動の際に語学力をアピールすることができます。

飲食業の経験を活かせるお仕事

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未経験の業界や職種でも、飲食業で培ったスキルを活かして働ける職場はたくさんあります。一例を紹介しますので、ぜひお仕事探しの参考にしてください。

接客・販売業

来店したお客様に対応する接客業や販売業は飲食業と共通点が多く、比較的スムーズになじむことができるのがメリットです。勤務先の選択肢も幅広く、スーパーマーケットやディスカウントストア、アパレル、デパート、アミューズメント施設など多岐にわたります。
休日は飲食店と同じく不規則になりがちですが、電話応対をするコールセンターなら土日祝が休みのところもあります。

また、お客様一人ひとりにじっくり向き合って接客したいのであれば、自動車や不動産、保険商品、冠婚葬祭といった高額商品を扱う企業も選択肢に入ってくるでしょう。さらに受付カウンター業務のように飲食店ほど体力を必要としない職種もあり、有力な転職先のひとつです。

<参考記事>
販売員になるには? 仕事内容ややりがいとは

営業職

商品やサービスを提案・販売する営業職は、資格が必要なく経験がない状態でも一から始められるお仕事です。加えてどのような業種でも必須の職種であり、求人もかなり多く、非常に間口が広いのが魅力的。実績次第ではキャリアアップや大幅な高収入を目指すこともできます。

営業職で活かせるスキルは、コミュニケーション能力や顧客が求めていることを察する能力です。また、人対人のお仕事ですので、気の合わない人や苦手な人とも上手につきあえることや、少々のことではへこたれない強い気持ちも役に立つでしょう。加えて、きちんとした言葉遣いや礼儀作法が身についていることも大切です。

<参考記事>
成果で給与は大きく変わる!? 営業の仕事内容

事務職

事務職は多くの求人で土日祝日が休み、接客する機会がかなり少ない、基本的に座って働けるため体力がそれほど必要ないといった特徴があり、飲食店とは対照的な職種です。派遣雇用を活用できるなど雇用制度も幅広く、未経験からでもチャレンジしやすいお仕事といえるでしょう。休日の少なさや体力面の不安から飲食業界を辞めた人にもおすすめです。

事務職は会社の業務がスムーズに回るようにこまごまとした仕事をきっちりこなすことが重要ですので、気配りや協調性、社内の人と円滑にやり取りをするコミュニケーション能力が求められます。電話応対が多いなら、接客業で身につけた丁寧な言葉遣いやハキハキとした話し方が役に立ちます。

<参考記事>
事務仕事の種類は? 仕事内容や必要なスキル

食品業界

飲食店で学んできたことを活かすなら、食品業界に絞って転職先を探すのもひとつの方法です。土日祝が休みのオフィスワークが希望なら食品メーカーやレストランチェーン店の事務職、製造に携わりたいなら食品工場といった幅広い選択肢があります。一般家庭向けのパンやお菓子、加工食品など時代の流れに左右されず一定の需要がある商品を扱い、安定して業績を伸ばしている企業も少なくありません。

営業職に転職するとしても、食材や加工食品の営業であれば現場で身につけた知識が大いに役に立つでしょう。食材や料理の知識をベースにしつつ、コミュニケーション能力や体力、気配りの細やかさなど、自分の長所を活かせる職種を幅広く探すことができます。

介護・看護業界

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介護や看護は、利用者や患者に密接に関わる職種です。コミュニケーション能力や接客、細かい気配りなど、飲食業の現場で学んできたスキルを存分に活かすことができます。
高齢化社会が進む日本では介護の現場は常に人手不足で、採用活動も非常に積極的です。未経験からスタートして、働きながら資格取得を目指せる施設がたくさんあります。まずは介護職員初任者研修を修了してから介護福祉士やケアマネージャーを目指せば、キャリアアップにもつながります。

介護職の勤務先には特養や老健、障害者福祉施設などがあり、サービス形態もホームやデイサービスなどさまざま。土日を定休日としているところもあるので、自分の希望に合う転職先を幅広く探してみましょう。

看護師の資格は持ってないけれど看護業界に興味があるという人は、派遣で看護助手の仕事に就くことが可能です。看護助手とは主に看護師の補助をおこなう仕事で、多くの病院が求人を出しています。医療行為をすることはないものの、医療器具の洗浄や食事の配膳、ベッドのシーツ交換など、病院によって担当する業務は多岐にわたります。患者さんへの気配りや協調性が欠かせない仕事です。

スタッフサービスでは、派遣看護師の求人を多数ご案内しているほか、職業別専門サイト「スタッフサービス・メディカル」も設置し、看護師や看護助手、医療事務、受付、クラークなどのお仕事を豊富に取り扱っています。

<参考記事>
介護職・ヘルパーとして働く! 仕事内容や必要なスキル
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製造業

家電製品や自動車などの組み立て、部品の製造、出荷などをおこなう製造業は、土日祝日が休みの職場も多く、ワーク・ライフ・バランスを重視したい人におすすめです。現場での立ち仕事が多いのは飲食業と共通で、仕事で培った体力を活かすことができます。一方で接客する機会は飲食店ほど多くありません。とはいえ黙々と仕事をこなす職人気質の人が多い職場では、業務を円滑に進めるためのコミュニケーション能力が重宝されることもあります。

製造業は経験の有無や年代を問わず年間を通して採用募集をおこなっている企業が多く、採用の間口が広いのも特徴です。生活必需品を作っている企業なら社会情勢や景気に左右されにくく、安定感があるのも魅力といえるでしょう。

<参考記事>
工場のお仕事
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実務未経験のお仕事を始めるには派遣スタッフがおすすめ

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派遣の仕事にも「未経験者歓迎」の求人がたくさんあります。派遣のお仕事は、正社員の求人と比較すると、実務未経験者の採用基準が低くなるのがメリットです。また、自分で一から求人を探す必要はなく、派遣会社のスタッフが希望条件にあった仕事を探して提案をおこない、人材を求める企業との橋渡しをします。

この仕組みにより企業の求める人材像とのミスマッチが起こりにくく、結果的に転職の成功率も上がるため、安心して就職活動に専念することができます。スタッフサービスでは、飲食業からの転職におすすめできる未経験歓迎のお仕事を全国各地からお探しいただけます。

まとめ

飲食業界からの転職を考える理由は、「労働時間や拘束時間が長い」「体力的に厳しい」「賃金が低い」「新型コロナウイルスの流行の影響がどこまで続くか不安」などさまざま。転職を考えているなら、飲食業界でどんなスキルが身についたかを振り返ってみてください。そうすることで自分のアピールポイントが見つかり、実務未経験の業種・職種でも転職の成功率は格段に上がってきます。本記事を参考に、自分のスキルと経歴に合った理想のお仕事を探してみてはいかがでしょうか。

飲食業からの転職を考えているなら、一度スタッフサービスにご相談ください。希望に合ったお仕事をご提案します。

ライター:Ayako(ライター)
就職氷河期に社会に出たのち、技術専門誌の雑誌編集やインタビュー記事の執筆を経験。現在は、ライフスタイルやサブカルチャーなどに関するライティングと動画編集に携わっています。

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