看護助手はどんな仕事? 資格は必要?求められる能力や向いている人も紹介

看護助手はどんな仕事? 資格は必要?求められる能力や向いている人も紹介

看護助手とは主に看護師の補助をおこなう仕事で、多くの病院が求人を出しています。しかし、資格を持っていないのに医療の現場で働けるのかどうか不安な人も多いでしょう。ここでは看護助手の仕事について具体的な内容をまとめてみました。

看護助手とは?

看護助手はどんな仕事? 資格は必要?求められる能力や向いている人も紹介_1

看護助手とは、主に患者の世話や看護師のサポートをする仕事です。看護補助者、またはナースエイドとも呼ばれ、病院やクリニック、介護施設などで勤務します。

看護助手は、看護師や准看護師のように資格がなくても働くことが可能です。しかし、資格がないので採血や注射といった医療行為には携われません。そのため、看護師の指示を受けながら手が足りていない部分を補助していくことになります。

看護助手の仕事内容

看護助手の具体的な仕事内容を見ていきましょう。本記事では3つに分けて紹介します。

■患者の身の回りのケア
入院患者の食事の配膳や介助、おむつ交換、入浴介助、着替えの手伝い、ベッドメイクなど身の回りのケアをします。また、看護師とともに、決められた時間ごとに体位を変えて床ずれを予防したり、独り歩きに不安のある患者の介助や車椅子の手配・操作をしたりすることもあります。

■看護師のサポート
看護師の補佐的な役割として、患者の呼び出しや診察室への誘導、問診票の受け渡しなどおこないます。

■病院内の環境整備
病室や部屋の清掃、シーツ交換、医療器具の洗浄、備品の管理など、病院内の環境整備も看護助手がおこないます。書類やカルテの整理といった事務作業を担当することもあります。

ただし、勤務先によっては、看護師が入浴介助や食事介助、おむつ交換をおこない、病状が問題ないと判断した場合に看護助手にお願いしたりします。
また、小さなクリニックや診療所では、受付業務を兼任するケースもあります。看護助手の仕事を探す際には、具体的にどのような業務をおこなうのか、確認しておきましょう。

看護助手の勤務形態

看護助手はどんな仕事? 資格は必要?求められる能力や向いている人も紹介_1_2

配属される診療科や病院・施設などによって異なりますが、看護助手は看護師と同様に、2交代制や3交代制、シフト制で勤務するケースが多いです。

・2交代制:日勤・夜勤の交代勤務
・3交代制:日勤・準夜勤・深夜勤の交代勤務
・シフト制:早出・日勤・遅出・準夜勤・夜勤・深夜勤・半休など

看護助手にも土日出勤や夜勤があり、決まった休みを取ることは難しいかもしれません。日勤・平日の勤務を希望している人は、求人を探す際、注意しましょう。外来病棟専任やクリニックの求人を探してみるのも方法の一つです。

看護助手の給与はどれくらい?

看護助手の平均給与は、厚生労働省の「令和4年賃金構造基本統計調査」によると、約21万7,800円(男性:22万1,400円、女性:21万7,200円)となっています。ただし、勤務先や仕事内容によって給与は変動することを理解しておきましょう。

■参考:厚生労働省 令和4年賃金構造基本統計調査
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00450091&tstat=000001011429&cycle=0&tclass1=000001202310&tclass2=000001202312&tclass3=000001202329&tclass4val=0

看護助手が大変な仕事といわれているのはなぜ?

看護助手はどんな仕事? 資格は必要?求められる能力や向いている人も紹介_2

看護助手の仕事は、雑用が多かったり、体力を必要とされたりすることから、「大変な仕事」といわれることもあります。どのような点が大変なのかあらかじめ知っておきましょう。

・雑務が多い
看護助手の仕事は看護師のサポートが主ですから、雑務が多いのが現状です。看護師は多くの患者に対して的確な処置をおこなっていかなくてはいけない立場なので、一人ひとりの患者に時間をかけすぎてしまうと業務が滞ってしまいます。そこで看護助手の存在が必要となります。看護助手は看護師に替わりさまざまな業務を回していくことになります。

・体力を使う
患者の身の回りのケアや病院内の環境整備など、看護助手には体力を使う仕事が多くあります。また、検査の急な予定変更や体調変化など患者の都合に合わせて動くことも多くあるでしょう。慣れないうちは疲れやすいかもしれません。体力勝負のお仕事ともいえそうです。

・外傷や排泄物への対応が必要
勤務先ではさまざまな患者と接し、傷口や血液、嘔吐(おうと)物、排泄物を目にすることになります。そのため、看護助手には血液や排泄物に対してある程度の耐性が求められます。

看護助手のやりがいとは?

看護助手はどんな仕事? 資格は必要?求められる能力や向いている人も紹介_3

ただし、看護助手の仕事は大変なことばかりではありません。やりがいについても見ていきましょう。

・人の役に立てているという実感
看護助手は、人の役に立てているという実感を得られる仕事です。看護師がこなしきれない仕事をサポートすることで、看護師や医師が医療行為に集中できます。感謝をされ、やりがいを感じることも多くあるでしょう。
また、看護師以上に患者と触れあう機会が多いのも、看護助手のやりがいの一つです。不安な気持ちを抱えている患者と次第に打ち解けたり、患者が元気になって退院したり、お世話した患者やご家族が笑顔になってくれることに、やりがいや充実感を得られるでしょう。

・専門知識が身に付く
看護助手は、資格や医療現場の勤務経験がなくても働けます。現場では、医療に関する知識や技術が必要になる場面がたくさんあります。看護助手として仕事を続けているうちに、自然と専門的な知識が身に付くでしょう。働きながら経験を積んでいくこともできるので、ゆくゆくは看護師や准看護師、介護士などの職種を目指すことが可能でしょう。

看護助手はどんな人が向いている?

看護助手はどんな仕事? 資格は必要?求められる能力や向いている人も紹介_4

・コミュニケーション能力がある人
看護師や医師、患者など、日常的にさまざまな人とコミュニケーションを取るため、看護助手は、コミュニケーション能力が必要不可欠です。看護師の多くは患者の命を預かっており、心身ともに強い緊張状態にあるため、時に指示の口調が強くなってしまうこともあるかもしれません。そのような場面でも、うまくコミュニケーションを取る必要があります。
また、不安な気持ちを抱えている患者と接することもありますから、明るく接して元気づけられる人にも適しています。

・奉仕精神のある人
自分本位ではなく、人のことを考えて働ける人も重宝されます。看護助手は、患者が一日でも早く良くなるように看護師をサポートする仕事です。常に「相手は何をして欲しいのか」と先回りして考えることで業務は効率化されますし、相手に喜んでもらうこともできます。受け身ではなく自分で考えて行動する能力が求められているといえます。
また、医療や介護の現場に貢献したいと考えている人は、やりがいを感じながら活躍できるでしょう。

・根気強く、仕事に使命感を持てる人
看護助手に向いている人の特長は、とにかく根気強い人です。病院での仕事はつらいと感じることもあるでしょう。スタッフや患者につらく当たられたり、排泄物の処理など気の進まない業務を任されたり、くじけそうになってしまうこともあるでしょう。しかし、そんな時でも投げ出さずに辛抱強く業務を続けていれば周りの人たちからも評価してもらえるようになります。

・体力に自信のある人
看護助手の仕事は、力仕事が多いので体力勝負といえます。患者の移動を介助したり、車椅子に乗せたり、食事の配膳や院内の清掃など常に動き回っています。体力は看護助手の適性の一つといえるでしょう。

 

看護助手にはどのような資格がある?

看護助手はどんな仕事? 資格は必要?求められる能力や向いている人も紹介_5

看護助手は、資格がなくても仕事に就くことができます。しかし、「看護助手実務能力認定試験」や「メディカルケアワーカー検定試験」などの資格を取得すれば、即戦力としての活躍が期待され、人気の医療機関や希望する勤務先はもちろん、より条件の良い職場に就職することもできるでしょう。

■看護助手実務能力認定試験
全国医療福祉教育協会が認定する資格で、比較的取得しやすいといわれています。

・受験資格なし
・試験実施:年3回
・試験内容:学科35問(マークシート)で、看護助手業務、役割、患者への理解、基本技術などが問われる
・正答率6割以上で合格

参考:全国医療福祉教育協会 看護助手認定実務者試験
https://iryou-shikaku.jp/exam/nurse.php

■メディカルケアワーカー検定試験
医療福祉情報実務能力協会が認定する看護助手初の民間資格で、1級と2級があります。メディカルケアワーカー検定の資格を取得すれば、看護補助や福祉介護業務に携わる看護助手としてのスキルを証明することが可能です。

<2級>
・受験資格:看護助手として1年以上の実務経験必要(医療福祉情報実務能力協会が規定している実務経験1年以上で、実務経験証明書が必要)。実務経験がない場合は、医療福祉情報実務能力協会指定の教育機関で、メディカルケアワーカー(R)講座を受講し修了すれば、受験資格が得られます。
・試験実施:年に4回程度
・試験内容:学科20問と800字程度の記述問題。看護助手の役割や看護理論、病気や薬学の知識に加え、敬語や電話応対のマナーなども問われる。

<1級>
・受験資格:2級合格者
・試験実施:年に3回程度
・試験内容:2級よりレベルアップし、基礎心理学や看護助手の実技に対する問題。

参考:特定非営利活動法人 医療福祉情報実務能力協会 メディカルケアワーカー(R)(看護助手)検定試験出典テキスト
https://www.medin.gr.jp/exam_sche/exam_med_care_work.html
 

まとめ

超高齢社会の日本において、看護助手は注目されている仕事の一つです。
看護助手の仕事内容は、看護師のサポートや患者さんの身の回りのケア、病院内の環境整備などです。看護助手になるために必要な資格や経験はありません。看護助手の仕事は「大変」といわれることもありますが、感謝されることも多く、人の役に立てているという実感を得られる仕事です。

スタッフサービスでは、職業別専門サイト「スタッフサービス・メディカル」で、看護助手のお仕事を取り扱っています。未経験や時間的制約があっても、はじめられるお仕事がたくさんあり、将来のキャリア相談の面談、実務実践研修、キャリア形成研修制度、セミナーやスクールの割引もおこなっています。看護助手として働いてみたい方は、お気軽にご相談ください。

スタッフサービス・メディカル
https://www.staffservice-medical.jp/

ライター:ナカイマミ(編集者・ライター)
求人媒体で求人広告の制作、編集記事の制作に10年以上携わった後、女性誌、生活情報誌、地域活性に関係する媒体などで多くの取材、ライティングを手掛ける。気が付けば、47都道府県を踏破。海外よりも日本が好き。

話題のキーワード

    もっと見る

    お悩み解決!派遣コラム

    お仕事検索

    エリアから探す開閉

    職種から探す開閉

    業種から探す開閉

    こだわりから探す開閉